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鈴木社会保険労務士事務所TOPへ > トピックス > 労働契約法の概要

労働契約法の概要

労働契約法で定められた主な内容は、以下のようになっています。


1.労働契約の原則
  →労働契約は、労働者と使用者が対等の立場で、合意に基づいて
    締結あるいは変更すべきものとされています。
    注意すべきは、労働契約の変更も「合意」に基づいて行うべきと
    されていることです。契約内容の変更を一方的に押しつけること
    は、法の趣旨に反することになります。


2.労働契約内容の確認
  →契約の内容(賃金、労働時間、契約期間、業務内容等)の確認
    については、「できる限り書面で行うように」とされました。
    これまでも、労働基準法によって採用時に労働条件の書面通知
    が求められてきましたが、労働契約法においては、これら労働条
    件の内容に変更があった場合も、変更内容の確認を書面で行う
    ように求められています。


3.使用者側の安全配慮義務
  →使用者(会社)には、労働者の生命や身体などの危険から、労働
    者を保護すべき義務があるとされています。例えば事故や災害か
    ら保護するのは当然のことなのですが、危険因子はそれだけでは
    ありません。
    長時間労働の放置、職場でのいじめ、パワハラなど、精神的な疾
    病やときには自殺に至ってしまう要因については、きちんと対策を
    取っていないと、損害賠償義務が発生することになります。


4.就業規則の効力
  →就業規則については、その作成義務(10人以上の労働者がいる
    場合)と手続きの仕方については、労働基準法に定められていま
    す。しかし、その効力が発生するためには、内容に合理性があり、
    かつ労働者に周知させている必要があると規定されました。
    つまり、内容的に不十分なものや、しまいこんで労働者に内容を
    周知させていない場合は、その就業規則は効力が発生しないと
    いうことです。
    労使トラブルの現場では、就業規則に書いてある取り扱いを会社
    がしたのかどうかが重要な判断要素となりますが、そもそも効力
    が発生しないものを持っていたとしても、何の意味もないことにな
    ります。つまり、ほぼ労働者側の主張が通ることになります。
    内容的に自信がない、あるいは労働者に周知させていない場合
    は、早急に対策を練らないと大変なことになります。


5.労働条件を低下させる場合のルール
  →会社が一方的に就業規則を変更して、あるいは就業規則の変更
    もすることなく口頭などで、労働条件を労働者にとって不利益な内
    容に変更することはできないとされました。この場合は、あくまで
    労働者との「合意」が必要だと明記されています。
    これまで社長の鶴の一声でまかり通っていたかもしれませんが、
    法律に明記された以上、労働条件を低下させる場合は、きちんと
    段階を踏んで行うことが求められます。


6.労働条件変更にあたっての例外規定
  →「5」に書いたとおり、労働条件の変更には原則として「合意」が
    必要とされました。しかし、変更した就業規則をきちんと周知し、
    その変更内容に合理性が認められる場合は、合意によらずに
    変更も可能であるとされています。
    この「合理性」の判断は、様々な角度から検討されることになっ
    ていますが、かなりの配慮をしないと、会社側に有利に判断され
    ることはないものと思って ください。


7.出向命令の有効性
  →出向とは、出向元と出向先との出向契約に基づいて、労働者が
    双方との使用者との間で労働契約関係にある場合をいいます。
    労働者にとっては出向元に雇用されたのに、命令により出向先
    で勤務しなければならないという一定の不利益を被るわけだか
    ら、左遷的な意味合いの出向命令は無効となる、ということが明
    記されました。 


8.懲戒処分の有効性
  →労働者に対して懲戒処分をするためには、就業規則に書いてある
    内容・範囲でしか行うことはできません。これ自体は非常に重要
    なことなので、いざというときに必要な懲戒処分ができるように、
    就業規則の懲戒規定はきちんと見直しておきたいところです。
    しかし、就業規則に書いてあれば何でもできるかといったら、必ず
    しもそうではなく、やはり合理性が問題となります。
    懲戒権の濫用だと言われないためにも、これまでの裁判例の内
    容をふまえて、権利の濫用に当たらない内容で懲戒規定を定め
    ることが求められます。


9.期間雇用者の解雇
  →労働契約に期間を定めている場合は、その契約期間途中の解雇
    は、災害などで事業継続が不可能になったとか、労働者が懲戒
    解雇相当の行為を行ったなどのやむを得ない理由がある場合に
    限られています。これが明確になった以上、「非正規雇用」という
    ことで正社員より解雇しやすいという誤解は、改めないといけませ
    ん。また、今回労働契約法には盛り込まれていませんが、いわゆ
    る「雇い止め」(反復更新のあった労働契約の更新をしない場合)
    についても一定の基準があるので、期間雇用者がいる企業は、
    これらの理解も必須事項となっています。


労働契約法は、平成20年3月1日より施行されます。
企業としては、上記の内容をふまえて対策を練る必要があります。



投稿者 鈴木社会保険労務士事務所 : 2008年02月23日


所長 鈴木達朗
特定社会保険労務士  鈴木達朗
所長のプロフィール→ はじめまして。
横浜、川崎、東京を中心に活動する社会保険労務士です。
新規設立会社のサポートから中小企業の労務管理業務まで、豊富な実務経験があります。
また、労務問題に強い特定社会保険労務士として、規模を問わず多業種の企業の顧問として活動中です。
鈴木社会保険労務士事務所は、若さあふれるフットワークの良さと、お客様第一主義の親切対応で、企業発展のお手伝いを致します。
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