中小企業緊急雇用安定助成金の支給額については、よく、
「休業手当相当額の5分の4(解雇を行わない場合は10分の9)」
と書かれることがありますが、会社が実際に負担した休業手当の額の
5分の4(10分の9)が支給されるわけではなく、下記のような計算に基
づいて算出されます。
(1)1人1日あたりの休業に対する助成金額は?
確かに休業手当として会社が負担した金額を補てんしてもらえる助成
金なのですが、休業させる社員の賃金の高低によって金額が変わる
わけではなく、「その会社で休業を実施した場合の、1人1日あたりの
助成金額」というのが会社ごとに決まっています。
「会社ごとに決まる」というのは、その算出に、労働保険料申告書に記
載した前年度1ヶ月平均の「雇用保険被保険者数」と「雇用保険料算
定基礎賃金(年額)」、それに「年間所定労働日数」「休業実施日の賃
金の支払率」を用いて計算するためです。
たとえば、
「雇用保険被保険者数」・・・20人
「雇用保険料算定基礎賃金」・・・80,000,000円
「年間所定労働日数」・・・250日
「休業実施日の賃金の支払率」・・・70%
の場合、
80,000,000円÷(20人×250日)×70%=11,200円
となります。
この11,200円の5分の4、つまり8,960円が、その会社の1人1日あたり
の助成金額となるのですが、実は上限が7,685円に設定されているた
め、その会社の1人1日あたりの助成金額は7,685円に引き下げられて
しまいます。
この「7,685円」は、雇用保険の失業給付である基本手当日額の上限
額を指します。毎年8月1日に改定されますが、平成21年9月時点では
7,685円です。
(2)実際の支給額の計算は?
実際に支給される助成金額は、上記の計算に基づき算出した1人1日
あたりの金額に、その月の休業日数を乗じて計算されます。
たとえば、ある会社が、全員一斉の休業を月に何日か実施した場合、
「1人1日あたりの金額」・・・7,685円
「その月の1人あたりの休業日数」・・・4日
「その会社の従業員数」・・・20人
とすると、
7,685円×4日×20人=614,800円
となります。
これを毎月繰り返せば、毎月この金額を受給することができます。
休業日数を倍にすれば、倍額となります。
ただし、以下の「(3)支給額の限度は?」にあるように、一つの会社が
助成金を利用できる「限度」が設定されているので注意してください。
もちろん、従業員全員が同じ日数だけ休業するとは限らないため、実
際には従業員ごとの休業日数を足し合わせた日数を「休業延べ日数」
として算出し、これに1人1日あたりの助成金額である7,685円を乗じる
計算となります。
このように、中小企業緊急雇用安定助成金は「月」単位の申請をする
のが通常です。「月」は、その会社の賃金締切期間と考えていただい
て構いません。
そのため、月ごとに休業計画を作成し、その休業計画に基づいた休業
実績に応じて支給申請をするという流れを、利用する期間は毎月繰り
返していくこととなります。
※1ヶ月毎にせず、数ヶ月分まとめるケースもあります。
(3)支給額の限度は?
1つの会社が利用できる期間は、この助成金を使い始めてから3年間と
なります。そして、支給限度日数は300日となります。
従業員数20人の会社なら、
従業員数20人×300日=6,000日分
まで、その会社の誰が何日休業しても、助成金が使えるという意味で
す。つまり、ある社員はあまり休業させず、他の社員の休業が250日
となったとしても、会社全体の延べ休業日数が6,000日におさまって
いれば良いということです。
※特定の社員に休業が偏らないようにする必要はあります。
(4)教育訓練を行う場合はさらに上乗せ
休業ではなく、仕事量が少ない時期を利用して教育訓練を行う場合は
教育訓練を行った日については休業した場合の支給額に加えて、1人
1日あたり6,000円が加算されます。
つまり、20人の会社で1ヶ月間に休業2日・教育訓練2日を行うと、
20人×2日×7,685円=307,400円
20人×2日×(7,685円+6,000円)=547,400円
307,400円+547,400円=854,800円
という計算になります。
なお、教育訓練を行う場合は、事前にカリキュラムなどの計画提出が
必要となります。カリキュラム作成方法や外部業者への委託方法など
で分からないことについても、当事務所でバックアップいたします。
→支給対象となる事業主の要件は?
→支給額の休業は?
→実際の手続きはどのように進めるの?
当事務所では、中小企業緊急雇用安定助成金の支給申請手続き一切
を代行するサービスを行っております。
手続きは非常に煩雑となり、頻繁にハローワーク等へ足を運んで書類
を整えていかなければならない大変時間のかかる作業です。
どうぞ助成金手続きの専門家を、お気軽にご利用ください。
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鈴木社会保険労務士事務所 鈴木達朗
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投稿者 鈴木社会保険労務士事務所 : 2009年09月01日 |