中小企業の労務管理|設立直後から人数規模別のポイント

中小企業の労務管理は、
会社の成長とともに必要な対応が少しずつ変わっていきます

 

設立直後は手続きが中心ですが、
従業員が増えるにつれて

  • 社内ルール整備
  • 社員定着に向けた取り組み
  • トラブル予防
  • 属人化の解消

といった課題が増えていきます。

 

このページでは、会社規模ごとに
労務管理上課題となるポイントを整理しています。
 


会社設立直後の労務管理
 

会社設立直後は、まず基礎となる手続きや体制を整える段階です。

 

  • 労働保険・社会保険の新規加入手続き
  • 給与計算の体制づくり

 

労働保険とは、労災保険と雇用保険のこと。
社会保険とは、健康保険と厚生年金保険のこと。
それぞれの制度の加入要件に従い、
手続きを進めていくことになります。

 

労働保険や社会保険に加入するには、
労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所で
様々な手続きを行う必要があります。

労働保険や社会保険の加入要件
(どういうときに加入しなければならないかを説明します)

 

そして、同時に給与計算の体制づくりも進めていきます。

  • 給与明細書や賃金台帳を誰がどうやって作るか
  • 給与計算の締切日と支払日をどうするか
  • 基本給だけなのか、各種手当を設けるのか

など、基本的な仕組みづくりを行います。

 

給与明細書や賃金台帳の作成は、
Excel管理、給与ソフト導入、クラウド契約など
様々な方法があります。
実際に作業する人も、
社長自らがやるか、社労士や税理士に任せるかを決めます。

 

給与の締め・支払いも重要なポイントです。
「前の会社がこうだったから」ということで安易に決めず、
今後自社が困らない形で設定する必要があります。

 

社長や取締役以外に、最初から従業員を雇用するなら、
各種手当を設けるのか、
設けるならどのような意図や仕組みにするのか
なども決める必要があります。

 

会社設立の段階でこうした土台を整えておくと、
後々の負担が大きく変わります。


初めて従業員を雇うときのポイント
 

初めて従業員を雇うときは、労務管理のスタート地点です。
会社設立当初から1人目を採用するなら、
早速考えていかなければなければなりません。

 

  • 労働条件を明確にする
  • 労働条件通知書や雇用契約書を作成する
  • 労働時間体系や残業計算の考え方を決める
  • 労働時間の記録方法を決める
  • 従業員の社会保険や雇用保険加入手続きを行う

 

これらは最低限のところとなります。

 

これに加えてお勧めなのは、
この最初の時点で、社内ルールを整備してしまうことです。
具体的には、就業規則を作るということです。

「最初の1人」の段階で整えておくのが、
後々の労務管理体制の構築が楽になります。

従業員10人未満でも就業規則を作るべき決定的理由
(少人数のときに作成するメリットを解説しています)

 


従業員5人未満規模の労務管理
 

従業員5人未満のような少人数の会社では、
十分社長の目が行き届く範囲なので、
ある意味、問題なく労務管理を回せる規模かもしれません。


ルールのような明確なものが無くても、
社長の一声で運用できてしまいます。
法律上、就業規則の作成義務も無いため
無理にルールを作ろうとしないのもこの規模です。

 

この時点でしっかり固めておきたいことは、
労働時間管理をどのようにスムーズに進めるか
ということです。

 

労働時間管理とは、

  • タイムカードを導入するのか
  • 勤怠管理システムを契約して運用するのか
  • Excelのタイムシートで管理するのか

という「ハード面の管理」と、

  • 労働日数や残業時間の集計をいかに効率化するか
  • ムダな残業時間を減らす仕組みをどう整えるか

という「ソフト面の管理」の両方を指します。

 

これを曖昧にしたまま進めると
その先人数が増えてきたときに苦労することになります。

 

人数が少ないうちのほうが、仕組みの導入もラクですし
この時期に根付かせた労働時間管理の流れや考え方は、
その後に人数が増える段階でもスムーズに浸透していきます。

 

あとは、「最初に1人」のときにできなかった会社は、
社長の一声が通りやすい今のうちに、
就業規則の作成を進めることをお勧めします。

 


従業員10人未満の労務管理
 

従業員数が5人を超えて10人近くなってくると、
労務管理を「社内でなとなく回す」だけでは難しくなります。

 

最初のうちは、これまでの付き合いの延長や縁故から、
「人間性をある程度知っている人」
を雇用するケースも多いので、まだ良いかもしれません。

 

しかし、10人が視野に入ってくる規模では、
だんだんと「他人」、
つまり「どんな考えを持っているか分からない人」
を雇用するケースがかなり増えてきます。

 

そうなると、少なくとも会社がいろいろな判断や、
時には厳しめの指導をするにあたって、
その根拠となるルールが無いと難しい環境になります。

 

それから、この辺りの規模から、
感覚的には「労働基準監督署の調査」対象になりやすい
ところに入ってくる傾向があります。

 

「10人いないから就業規則の作成義務のないのに、労基署調査なんてあるの?」
「労基署調査って、従業員からのタレコミがなくても、小さな規模の会社で入られることがあるの?」

と思うかもしれませんが、普通にあります。

労働基準監督署の調査・是正勧告対応
(労基署調査で聞かれることや対応方法を詳しく説明します)

 

このように、そろそろ10人が見えてきた会社は、

  • 人となりが分からない従業員の労務管理
  • 労働基準監督署の調査を意識した労務管理

をしっかり進めていくことをお勧めしたい規模となります。
 


従業員10人~20人程度の労務管理
 

従業員10人以上となり必須となるのは、
やはり就業規則の作成です。
それまでに作成してこなかった会社は、
早急に対応する必要があります。

就業規則・社内規程について
(就業規則作成のポイントを整理しています)

 

また、これは10人未満のときもそうなのですが、
有給休暇の残日数管理や、
定期健康診断の実施や記録の保管なども
それまでできていなかったことがあれば
速やかに対応する必要があります。

 

そしてこの規模になると、
労務管理の属人化リスクが出てくる規模となります。
 

  • 担当者が辞めると業務が止まる
  • 人数が増えてきて、手続き漏れが起きやすい
     

給与計算は毎月のことなので、待ったはありません。
社会保険や労働保険の手続きも、
スムーズに進まないと従業員の不満の温床となります。

そうなると、社労士などの外部の専門家に業務を委託することは
一定の意味が出てきます。
このような事態になることを早くから察知して、
10人未満のうちから社労士と顧問契約を結ぶ会社も多いです。

 

必ず社労士を利用しましょうということではありません。
労務管理の属人化のリスクは、
突如顕在化することがある
ので、
外部を頼る方法を持ち合わせておきましょうという意味です。

 


従業員20人~50人未満の労務管理
 

従業員数が20人を超えると、
労務管理は「体制」として整える段階に入ります。

 

人数が増えると、いろいろなことが起こります。

  • 社員の入退社の頻度が増える
  • 社員から色々な質問が来る
  • 問題社員が出てきて、社員からも不満が出る
  • パワハラなどのハラスメント問題が生じる
  • 育児休業や介護休業などを取る人が格段に増える
  • 今までやったことの無い手続きに直面する
  • 何かやるにも、従業員数が多すぎて手が回らない
  • 給与計算も1日では終わらない量になる

 

当然、これらのことに、
社長や人事労務担当者1人では対応しきれません。
この規模では、顧問社労士と継続的に付き合う会社が多くなるのもそのためです。

 

後回しになってしまった就業規則の見直しなども
課題として出てくるのがこの規模です。

 

社内に総務部長や人事部長がいたとしても、
そのブレーンとして社労士をそばに確保することが
一般的となっています。

社労士顧問契約とは何か
(社労士と顧問契約を結ぶメリットを説明します)
 


従業員50人以上の労務管理
 

従業員数が50人を超えると、
労務管理は経営課題としての重要性が高まります。

 

  • 労使トラブルの予防と初動対応
  • 管理職の役割の明確化
  • 従業員の評価体制の確立
  • 安全衛生管理体制の整備

 

この規模になると、
普段、会社のどこで何が起きているのか賀
かなり見えづらくなります。

 

従って情報が入ってくるのも遅くなり、
その間にトラブルや不満の芽が育ってしまいます。
後手後手の対応になりやすのがネックです。

 

会社として「労務管理を仕組みで回す」ことが求められます。

 


中小企業の労務管理は「早めの整備」が負担を減らす
 

労務管理は、問題が起きてから整えるよりも
日常のうちに体制として整えておくほうが負担が少なく済みます。

 

問題が起きづらい時期、
体制を整えやすい時期というのは、
やはり「従業員数が少ない時期」となります。

 

最初からすべてを外部に任せる必要はありませんが、
必要な部分だけでも社労士などの外部専門家と一緒に整理し、
少なくともその専門家の視点に触れておくで

社内の負担とリスクは大きく下がります。

 

社労士がどういう関わり方をする存在なのかについては
以下で詳しく説明しています。

社労士に相談できること

 

 

  • ウチは今この規模だが、どうするべきか
  • 今の段階でウチの会社の課題は何か
  • 社労士に依頼するとしたら、どのくらい費用がかかるか
  • 依頼するとしたら、どの部分を任せたらよいか


のような段階で、お問い合わせ頂いて問題ありません。
初回のお問い合わせ時点では、
依頼するかしないか決める必要はありません。
もちろん、その後依頼しないなら
費用もかかりません。
執拗な勧誘や契約の強要は一切しませんのでご安心ください。

 

規模の小さいうちからの労務管理の大切さに興味を持った方は、
すでに他より一歩前に出ています。
その大切な一歩を次につなげるためにも、
一度、自社の状況を相談してみてはいかがでしょうか。

 

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