年金事務所の調査対応

年金事務所から調査に関する通知が届くことは結構あります。

 

求められる資料は調査の種類によってまちまちですが、

  • 何を確認されるのか
  • どこまで遡って対応が必要なのか
  • 調査の結果によりどういうことが生じるのか

について、不安を感じる方も多いと思います。

 

年金事務所の調査は、
社会保険(健康保険・厚生年金)に適切に加入しているか、
手続きや届出が正しく行われているかを確認するものです。

一定のタイミングで行われることになっています。

 

特別な問題がある会社だけが対象になるわけではありませんが、
通知が届いた場合は対応が必須となるため、
期日に向けて
順序立てて対応することが大切です。
 


年金事務所の調査の種類
 

年金事務所の調査は、いくつかあります。

基本的には定期的実施されるものと、
新規に設立された法人向けのものがあります。

 

主なものとしては、調査通知書のタイトルごとに

①資格及び報酬等の調査の実施について

②健康保険・厚生年金保険の適用に関する調査について

③厚生年金保険・健康保険の加入について

などがあります。

 


資格及び報酬等の調査とは
 

この「資格及び報酬等の調査」は、
社会保険の届出状況に関する総合的な調査となっており、
対応としては一番大変です。

 

提出資料としては、

  • 報酬・雇用に関する調査票
  • 源泉所得税領収証書
  • 個人別所得税源泉徴収簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿又はタイムカード
  • 就業規則、給与規程
  • 労働者名簿、雇用契約書

などです。
ただし、年金事務所によって提出を求めない資料や、
ここに記載のない資料を求める場合もあります。

 

対象者と対象期間については、

  • 直近で在職している従業員全員分(社会保険未加入のパート等を含む)
  • 原則として直近2年間分

が多いものの、こちらも年金事務所によって差異はあります。
例えば、人数の多い会社だと、
「提出対象者リストに記載された人+社会保険未加入のパート等」が
指定されることもあります。

 

また、形式としては、

  • 書類だけ郵送で提出を求められるパターン
  • 年金事務所への呼び出しがかかるパターン

があります。

 

これら以外にも、その会社の業種や状況によって
確認される内容は異なります。


 

資格及び報酬等の調査で確認される主なポイント

年金事務所の資格及び報酬等の調査では、
例えば次のような点が確認されます。

 

  • 社会保険に入れるべき人を適切に加入させているか
  • パート・アルバイトの加入判断が正しいか
  • 試用期間などを未加入扱いにしていないか
  • 標準報酬月額の届出(算定基礎・月額変更)が適切か
  • 賞与支払届が正しく提出されているか
  • 賞与でなくても臨時的な手当について賞与支払届を出しているか
  • 届出に記載する報酬額から漏れている手当等はないか

 

調査においては、
思っている以上に細かな視点でチェックされる傾向にあります。

「加入漏れ」
「月額変更届などの届出漏れ」
「臨時的手当の報告漏れ」
「報酬額への算入漏れ」

などがある場合は、
最大で2年間遡及して手続きを行うことが求められます。

 

それにより、社会保険料の追徴を受けるケースが出てきます。
期間や金額によってはかなりの差額保険料徴収という事態となり、
会社にとって大きな負担となる
ことがあります。

 


よくある指摘事項
 

資格及び報酬等の調査でよく指摘を受けやすいのは、次のような点です。

 

①社会保険に加入させるべき人を加入させていない
・週の所定労働時間が正社員の4分の3以上のパートが未加入
・会社規模に応じ特定適用事業所なのに週20時間以上のパートが未加入
・事業に関与し、役員報酬が支給されている取締役が未加入

 

②社会保険の資格取得日に誤りがある
・試用期間の初日から加入させていない
・勤務時間が加入基準を満たしたパートの加入日が遅い
 

③月額変更届の提出漏れがある
・基本給の改定や固定手当の増額から3ヶ月間の平均報酬から計算して標準報酬月額に2等級以上の差があるのに、月額変更届を提出していない
・通勤手当の変動により月額変更届の対象となるのに、届出されていない
・パートやアルバイトの時給改定を、月額変更届の契機にしていない

 

④賞与支払届が提出されていない
・報奨金や寸志などの臨時的な手当について賞与支払届を提出していない


⑤報酬に含める手当が漏れている
・通勤手当を報酬に含めていない
・資格取得時の報酬に残業見込額を含めていない

 

これらの指摘は、悪意があるというよりも、
制度が複雑で「知らなかった」ことが原因となる場合が多くあります。
 


「健康保険・厚生年金保険の適用に関する調査について」という通知で確認されること
 

年金事務所からの通知書タイトルに
「厚生年金保険・健康保険の
適用に関する調査について」
「厚生年金保険・健康保険の加入状況にかかる調査票」
と書かれてくるものがあります。

 

この場合、提出を求められる資料が比較的簡易で、

  • 適用に関する調査票
    (または加入状況にかかる調査票)
  • 直近の源泉所得税領収証書の写し

だけとなることがあります(そうではない場合もある)。

 

この場合、適用に関する調査票への記載と、
源泉所得税領収証書に記載された人数から判断し、
「社会保険に加入させるべき人を漏らしていないか」
という視点で年金事務所のチェックが入ります。

 

漏らしている可能性が高い会社には、
後日改めて連絡が来て、
対応が必要になることがあります。

 


「厚生年金保険・健康保険の加入について」という連絡で確認されること
 

年金事務所からの通知書タイトルに
厚生年金保険・健康保険の加入について」
と書かれてくるものがあります。

 

これは主に、社会保険未加入の会社や
新規設立法人に送られてくることが多い文書です(そうではないケースもある)。

 

会社を設立しただけでは、
直ちに社会保険に加入しなければならないわけではありません。

 

しかし、

  • 社長1人のみでも役員報酬が出ている場合
  • 従業員がおらず取締役のみで役員報酬を支給している場合
  • 従業員がいるのに社会保険加入手続きを取っていない場合

​などのケースでは、社会保険に加入しなければならないケースに該当するため
速やかな加入手続きを求められます。

 

とくに、別の会社で社会保険に加入している方が、
副業や不動産収入に関して法人を設立した場合
でも、
「二以上勤務者」としての手続きが必要なので、
加入漏れを指摘されやすくなっています。

 

 

年金事務所は法人の設立状況は把握していますが、
その会社が報酬を出しているかや、
従業員を雇用したかの情報は把握できません。

 

そのため、

  • 基本的には設立間もない会社
  • 法人データベースにあるのに年金事務所に登録が無い会社

​に対して定期的に通知が送られてくる仕組みとなっています。

 

加入要件に当てはまらない場合は
その旨を申告するとともに、
ケースによってはそれを証明する書類(決算書など)
の提出を求められることがあります。

 

いずれにしても「放置」せずに
しっかり対応していくことが必要です。

 

社会保険や労働保険の加入要件
(社会保険に加入させなければならないケースについて詳しく解説しています)
 


書類を提出して終わりではない
 

どのタイプの調査でも、
書類や調査票を提出して終わりではありません。
提出後にしばらく年金事務所から連絡が無くても、
忘れたころに内容確認の連絡が来ることがあります。

 

疑義がある場合は、
別の資料の提出を求められることもあります。

 

その上で、提出漏れや訂正の指摘を受けた場合は、
後日それに対する手続き対応を行うこととなります。

 

郵送提出の場合で、
特に漏れや間違いが見つからなかった場合は、

  • 完了した旨の連絡が電話で来る
  • 問題が見つからなかった旨の簡単な文書が届く
  • 何も連絡なく、そのまま終わる

のいずれかとなるのがほとんどです。
提出した資料は返却されないのが一般的です。

 

呼び出し調査の場合は、
提示した資料を見た調査官の質問に、
その場で答えなければなりません。
手続き漏れや間違いが見つかれば、
やはり後日、それに対する届出書の提出が必要です。

 


社労士が支援できること
 

当事務所では、年金事務所の調査に関して
次のようなサポートを行っています。

 

  • 調査通知内容の確認と論点整理
  • 必要書類の準備サポート
  • 指摘が予想される内容の事前整理
  • 呼び出し調査の場合は、同行又は代理出頭も可能
  • 指摘事項への対応方針の検討
  • 追加提出を求められた届出書の作成・手続き代行

 

全てまとめてということも可能ですし、
どれか一つだけのサポートということもできます。

 

また、顧問契約を結んでいる会社だけでなく、
スポットで対応することも可能です。

 

ただし、年金事務所の調査による指摘内容が、
確かに法律や取扱いに照らして明らかに誤りの場合、
当然ながらそれを覆すことはできません。

 

年金事務所の調査で指摘があると、
たいていの場合、社会保険料の追加徴収につながります。
指摘事項が多かったり遡及期間が長かったりすると、
それだけ追徴額も膨大になります

 

社会保険料の半分は本人負担ですが、
遡及額について本人に負担を求めるのは
難しいケースもあります。



そうした事態にならないためにも、
日頃から正しく手続きを行うことが重要で、
普段、社内で手続き対応を行っている場合は、
現在のやり方や考え方が正しいのかどうかを
社労士の視点を入れてチェックしておくことが肝要です。

 


年金事務所の調査に関する費用について
 

年金事務所の調査に対応する場合の費用については、
関わり方によって変わってきます。

 

調査前の会社の状況整理や資料の準備・提出、
呼び出しの場合は当日の立会い又は代行、
その後年金事務所からの確認に対する対応、
指摘を受けた場合の届出作成代行まで、
一式まとめてお受けする場合は、

基本料金55,000円~となります。

総額がどのくらいの金額になるかは

従業員数に応じた資料の量や、
追加届出がどれくらい必要になるかよって変わってきます。

あくまでも目安ですが、
総額が55,000円~110,000円になることが多いです。


事前相談のみや、
指摘を受けたあとの手続き代行のみ
という場合は、
33,000円~でのご案内をすることが多いです。

 

いずれの場合も、事前にお見積りをさせて頂きます。
スポット対応をご希望の方も、

「年金事務所の調査ってどんな感じなの?」
「対応を依頼した場合の費用はどれくらいかかる?」
「指摘された内容は従わないといけないのか」

などの、まだ依頼するかどうかを決める前の段階で構いません。
遠慮なくお問い合わせください。


年金事務所の調査で指摘を受けないために
 

年金事務所の調査で指摘を受けてしまう場合は、
「社会保険事務に関する知識不足」が原因
となることがほとんどです。

 

これまでの社内で社会保険事務を対応してきた場合、
その誤りに気付かずにいるかもしれません。

 

そのために、後日かなりの金額の
追加保険料負担につながり困惑することがあります。
社労士でもこうした事後対応については、
どうしようもないことがほとんどです。

 

心配な方は、年金事務所の調査が来る前に、
リスクを洗い出す作業を社労士に依頼するという一手もあります。

 

まずはこれまでの社内の対応に誤りがないかを整理する場として
安心してご相談ください。

 

※執拗な営業や依頼を迫る行為は一切行っておりません。
※通常1〜2営業日以内にご返信しております。

 

調査対応は初動が重要です。通知が届いた段階で一度ご相談ください。

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