雇用契約書(労働条件通知書)の必要記載事項

労働条件通知書(雇用契約書・労働契約書)には、必ず記載をしなければならない内容というのが、法律上決まっています。これが漏れているものを使っていると、労働基準監督署の調査などで労働基準監督官から是正勧告が出てしまうので注意が必要です。

「書面交付」での明示が必須の項目は以下の通りです(分かりやすくするために、法律上の表現とは敢えて異なる表現としていますので、ご了承ください)。
なお、赤文字の項目は、パートタイマーやアルバイト・有期契約労働者との雇用契約の場合には、必ず記載が必要となる項目です。また青文字の項目は、契約期間の定めがある有期契約の場合には、必ず記載が必要となる項目です。

  • 契約期間(無期の場合は「期間の定めなし」と記載)
  • 就業場所(当初の場所と、その後の変更範囲とに分けて記載
  • 業務内容(当初の内容と、その後の変更範囲とに分けて記載)
  • 始業・終業時刻、休憩時間、残業の有無
  • 休日
  • 休暇(有休や夏季・年末年始・慶弔休暇など)
  • 給与の内容(基本給や手当の額、割増率などの計算方法)
  • 給与の支払方法(振込か現金か)
  • 給与の締日と支払日
  • 退職に関する事項(解雇事由含む)
  • 昇給の有無
  • 賞与の有無
  • 退職金の有無
  • 雇用管理の相談窓口
  • 有期契約の場合は、更新可能性の有無
  • 有期契約で更新可能性がある場合は、その更新判断基準
  • 有期契約の場合は、更新上限の有無
  • 有期契約の場合で更新上限がある場合は、その回数や年数
  • 有期契約の場合で、その契約で通算5年超の雇用となる場合は、有期雇用者が希望すれば無期雇用者になれる旨と、無期雇用者になった際の労働条件

※なお、「書面交付」でなくても良いものの、何らかの形(就業規則を見せるなど)で明示が必要な項目は他にもあります。例えば、休職や災害補償、懲戒処分、職業訓練に関する事項などです。このページは、あくまでも「書面明示」が必要な項目に関する内容なので、詳細は割愛します。



「正社員なら黒文字の部分だけで良いんだな」「パートやアルバイトだと赤文字項目も追加で必要なんだな」「1年契約とか6ヶ月契約とかの有期契約だと、青文字項目も追加で必要なんだな」という感じの理解で良いかと思います。

漏れが多いのは、「退職に関する事項」でしょうか。これには、定年年齢、自己都合退職の場合の申出期限、解雇の事由や手続きなどが含まれています。就業規則のある会社は、就業規則のコピーを労働者に渡せばそれでも大丈夫ですが、一般的には就業規則のコピーは渡さないケースが圧倒的に多いでしょうから、これらの事項は労働条件通知書や雇用契約書に記載をしておかないといけないことになります。



項目が多すぎて、また、それらの内容をどのように記載したらよいのかが判然としないかもしれません。厚生労働省でも労働条件通知書のひな形をダウンロードできるようにしていますが、当事務所でもオリジナル版で労働条件通知書・雇用契約書(労働契約書)のひな形・テンプレートをご用意しています。上記黒文字項目だけでなく、赤文字項目・青文字項目も含まれており、どんな雇用形態でも利用可能なものにしていますので、以下のページからダウンロードしてみてください。


当事務所の社会保険労務士が監修した、オリジナルの労働条件通知書・雇用契約書(労働契約書)は、以下から無料ダウンロードできます。ご活用ください。

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